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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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政宗・番外-2


(戦無2/幸村)




視界が悪い―――。



「は……っ……っ………く……っ!」

霞む目を悠長に閉じている暇はない。
周りを囲む殺気を感じて、身体を動かす。

影ではなく、気配に向かって勢いよく駆け出す。

きつく握りしめた槍先を横に一閃する。
上がる悲鳴を背に、次の気配へ。

「はああああああ!!!!!」

空気を欲しがる身体が、激しく両肩を揺らす。
流れゆく汗が頬を伝って地へ落ちる。

まだ、倒れるわけにはいかない。

何としても、この場を守らねばならない。
何としても、友の所へ駆けつけねばならない。

「貫く!」

私はもう二度と。
仲間を失うわけにはいかないのだ――!!



ヴィシィイイイイインッッ!!



虚空を切り裂いて振りぬかれたのは、黒革の鞭。
二本が同時に、軽やかに踊る姿を見るのはいつぶりか。
気配の向こうで彼女が叫んだ。

「――援軍到着!! 元宮軍、突撃ィッ!!」

叫んだ声に、彼女の後ろから従う呼応と気配。
押し寄せる味方の軍旗と、上がりゆく士気。

彼女は私と背中合わせに立った。

「……予定より遅くなった、ごめん」
「いいえ。私などに援軍など……ありがとうございます」

彼女が笑んだ。

「さ、早く三成たちの所に行こう、幸村」
「ええ。そうしましょうか、あきら殿」

「――元宮あきら、推参する!!」
「真田幸村――いざ参る!!」






高まっていた鼓動はさらに加速する
(上田城攻防戦)

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