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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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ドタチンと合流したえりちゃんたちと別れたあたしは、
一人てくてくと西口の方へ向かう。

本店とは別の、一般の本屋に向かってるところ。
向こうは漫画とかラノベが抱負だし、色々と趣味のものが買えるけど、
一般書までとはいかないしね……。
そもそもジャンルが違うし。
両方がそろう所といえば、あの大手本屋しかない気がする……。

駅から歩くのが難点だけどね。
まあ、とりあえず今日は近場の本屋で充分。

「そういうわけで、そこのお姉さん!」

いきなり、目の前に人懐っこそうな金髪の男の子が現れた。

「この出会いを運命と信じて、俺とともにめくるめくハートビートな
 デュエットでもしませんか?」
「……え……?」

ぱちんとウインクを決め、手を伸ばして決めポーズを取る男の子。
うわあ……初めてナンパされちゃった……。
少し後ろには呆れたような表情を浮かべる黒髪の男の子と、
おろおろとしている眼鏡の女の子がいる。

あたしは目線で “どう?” と問いかけてくる男の子に対して、
思わずくすりと笑ってしまう。
そういうわけ、が、どういうわけなのかは知らないけども。

「明るさは良いのに、誘い文句が寒いかな。減点20」 
「減点!? 得点じゃなく、まさかの減点!?」
「ちなみにあたしは君のことを知らないから、ゼロからスタートね」
「しかもマイナス!?」

がっくりと打ちひしがれる男の子。
その姿を憐れに思ったのか、黒髪の男の子が近づいてくる。
だけど地に膝をついてる男の子を完璧にスルーして、代わりに
あたしへと謝ってきた。

……スルースキルが高いね……本当に……。

それから、3人が近くの来羅学園に通っている帝人と杏里、
正臣ということも訊いて。
「また会いましょうねー!」 という正臣くんのキラキラ笑顔と言葉を、
帝人くんを真似してスルーしながら手を振って、また歩き出す。

「そういえば、これで池袋のメインとは全員会えたのかな……?」

ヤーさんとか、暗殺者とか、そういう人たちはさて置き。
あたしは何気なくそう呟いた。





初めてかもしれない、出会いの数

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