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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

A brain and mind are another thing!(BSR2/政宗)

 
※女主人公


 





「…………………… What?」
「……えへ」
「笑ってんじゃねぇよ、foolish.」

マジな色で睨まれて、私は蛙みたく動けなくなる。
竜じゃなくて本当は蛇なんじゃないかと思う。

でも、それは当たり前の結果だ。

三年で忙しいっていうのに無理させて時間貰って。
政宗が一番得意で、私が一番苦手な教科。
その、英語をみっちりと教えてもらったのに。
自分としても、かなり頑張ったというのに。

平均点以下、赤点ギリギリ――これはないだろう。

きっと彼じゃなくても、怒りたくなるに決まってる……。
私のわがままを聞いてくれたのは、彼が私の幼馴染だからだ。
クラスメイトや友達だったとしたら、絶対に怒られる。
ピリピリしたオーラが私の体を刺していく。

本当に申し訳ない……私だって酷いショックを受けたものだ。
だけど、結果を教えないわけにもいかなくて。

「期末だろ? 俺が叩き込んだ英語だよな、Ah?」
「……はい、その通りです……」

本当に頑張った。
いつもなら投げ出してる所だけど、頑張った。
教えてもらえるのも、これで最後だから。

この幼馴染は、学校を卒業したら海を越えてしまうから。
決める前に 『迷ってる』 と言っていたから。
私はその大学へと、彼には知られず密かに入るため。
だから頑張ったのに……脳は気持ちについてきてくれないらしい。
自分のことながら、何て薄情者だ。

ああー情けない!!!
最悪の終わりだ。

「ごめん……無駄に時間とらせて……」
「 Shit, まったくだ」
「……うん、ごめんなさい……」

どうしようもなく、悔しくなってきた。
彼は自分の名前を言うような感覚で、さらさら話せているのに。
どうして彼の言葉を、この頭脳は理解してくれないんだろう。
ああ、悔しい……近づきたいのに近づけない。

テストを折りたたんでカバンにしまいこみ、帰るために立ち上がる。
しばらくひとりで勉強頑張ってみよう……合わせる顔がない。

「ったく……仕方ねえな……おい!もう一回だけ Supplementary lessons
 やってやる。もっかいテストと筆記用具だけ出せ」
「……え……」
「 Do you study? Do not you study?」
「――Yes, studies me!!」

私はそのまま叫んだ。

英語、英語、英語、英語、英語。
私は英語をやらなくちゃ。
出来なきゃいつまでも追いつけない!

「それさえ間違ってやがる……最初からかよ……」

少し待ってて、英語の幼馴染。





END.(脳と精神は違うもの!)

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