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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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平和が一番と言う奴こそサプライズを求めてる(3Z/銀八)

 
※男主人公


 





見上げればいつもそこに青い空。
進んでく日常さえ流れる白い雲。
つまらない出来事でも輝く太陽。
変わらない日常だけど癒す木々。

「……っあ゛ー……つまんねえ……つまんねえよー……!」

ぐだらっと椅子の背にもたれかかった。
ぷかぷかと、いつものように煙草をふかす。
後ろの窓は風が入ると寒いから、5センチくらいしか開けてない。

見渡せば、自分ひとりのだだっぴろいパソコンルーム。

俺の教室。俺の聖地。

職員室より、むしろここに篭ってる時間の方が断然に多い。
夏はクーラーをガンガン、冬は暖房をガンガンつけられるから
誰にとっても最高の空間になる。
俺が教えているパソコン技術の授業は、俺が全学年全クラスを受け持つ。

でも、そのわりに授業日数は少ない。
少なすぎるから一回でも休むと、生徒が単位がやばいと青ざめるほど。
その少なさゆえに、こうして時間がありあまって暇が出来て、
俺は途方にくれるのだ。

1日の授業は 2~3時間くらい。
同僚たちには羨ましがられるが、忙しい方が絶対いい!
むしろこんだけの授業は、ただのバイトっぽい。
教師って言えるかどうかさえ分からない、俺ってナニ……?

「ひまひまひまひまひまひまひまひまひまひまひまひまひまひまひ……、
 あれ?」

わけ分かんなくなった。

「なーに1人でぶつぶつ言ってんの、朔夜先生ー?」
「んあー?」

重いドアの向こうから顔を出してくるのは銜え煙草で眼鏡の、
白衣を着た銀髪天然パーマ。
本人はその髪質がコンプレックスらしいが……実は俺がその髪を
好きなことはあいつはまったく知らない。
言った所で、こいつ何言っちゃってんの的に眉をひそめられるか、
嬉しそうな表情をかくそうとするだけ。
そんなん、誰が言ってやるもんか。

「ぎーんぱーちー、何かよーうー?」
「っんとにダラけてんだなあ……差し入れ持ってきたぞー」
「む? 差し入れって……あっ!! 銀八の手作りチョコパフェ!!
「手作りじゃないっつーの。これはマートで買ってきたやつ」

コトンとパソコンデスクの上に置かれるプラスチックの容器と、
細長いパフェスプーン。
いつでもどこでもこのパフェスプーンだけは忘れないんだ、こいつは。

「ちぇ。……それじゃあ、あとでちゃんと作ってくれよな、美味いし。
 ……あむっ! ……ひゅへはふっへ、ひゅまあー!」
「味わえよー。暇な朔夜に銀さんが買ってきてあげたんだから。ちなみに
 何言ってるのかまったく分かんねーぞ」
「ひぇいちへわえうぱふぇわ、ひゃいほうーあー!」
「あーもー。……本当にこういう所に関しては、俺じゃなくて朔夜の方が
 子供っぽいんだよなあ」
「ひんぴゃひー! ひょんお、はったのひゃなくえ、くくっへー?」
「あ? 何? 作れ?」

冷たい甘みに笑顔で振り返ると銀八は肩をすくめながら、
「はいはい」 と苦笑した。





END.

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