忍者ブログ

黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第3章 台風7号 褒めてあげるべきですか?(3)





『ほはほはほはほはほはほはほはほはほはほはほはほはほは』
「うざっ!」
「うんそれ、同感。めっちゃくちゃうざいね」

リナの叫びに思わず全力で同意する。
キースとナーガのあわせた笑い声ってあんなにも……何ていうか……
こんな聞こえ方するんだ……。

絶句するしかない皆に向かって、ヴォイムがそれはもう嬉しそうに
胸をはりながら、キーガに搭載されたあれこれを叫んでる。

しかも構想2分の製作3分、計5分って一体……。
夏休みの工作よりも適当でしょう、それは。

「ちょっとは原型を残そうとか思わなかったのかよっ!!?」

原型をいかされても困ると思うよ、オーフェン。

そのあとは何か翼が出たり赤外線が出たり、ライトアップされたりした。
紹介のような過程でキーガ・ファイヤーの原型はキースにあるとか
分かったりしたけどそれが何なのか……。

興奮するアメリアを除いて、とてつもなくしらけた視線を向けられてるのに
気づいたヴォイムは、かなり動揺する。

すると慌ててヴォイムはキーガの方を振り向いて叫んで、特撮で良く見る
決めポーズの時に起こる5色の煙を爆発させた。
それでもヴォイムとキーガには、とっっっても冷たくしらけた視線が
突き刺さったまま。
いや、アメリアの目だけは輝いてる。

「な、なにっ!? やっ、やっぱり CG ……今時の子供は CG でないと
 駄目か!?」

「いや、今のアニメ世代はかなり進歩してるから、見た目で無理矢理って
 分かる CG はむしろ引く方だよ。そういう所に厳しめの視聴者って
 どこにでもいるしね」
「何とっ!? そうだったのかっ!?」
「豪快な生の爆発が良いんだっていう、特撮好きならまだしも」

何とか対抗しようとザックの中から、どこか懐かしい5色の服を
取り出そうとするアメリアとかはね……。

っていうか、リナたちとオーフェンたちは CG とかアニメとかの言葉は
まったく分からないんだってば。
まあ……あのディティールや能力でこの場に出そうと思ったヴォイムの
勇気だけはすごいと素直に思っておく。

キーガとコムリンだったら、どっちが迷惑だろうか……?
いや比べものにはならないか。
どっちも迷惑だろうからね……かけられる人たちにとっては……。

……ごほ、ごほんっ……!! お前たちの力が余の創造物に通じないことは
 覚えておろ。んん? 余の許可がない限り、お前たちの呪文は、無力――」

声の調子を整えてリナたちに叫んでた自信たっぷりのヴォイムの声が、
しだいに弱々しく小さくなって最後は消えた。
言っているうちにようやく、リナとオーフェンが向けてくる極寒を
かもし出す半眼に気づいたみたいだ。

形あるものは、いつか壊れる。

それが世界の法則だというのなら、壊れる原因は見えなくても
どこかにはあるはずで。
それが “弱点” だというのならば――

法則は正しい。

「……ほぉう……許可がないかぎり、ね……」
「許可があれば……でくの坊か、つまり」
「……………………………………………………………はい?」



そして始まる、ヴォイム VS リナ & オーフェンの追いかけっこ。
そしてキーガ VS アメリア・ゼル & コギボニドロシー &
キースとナーガ、最後に私。





NEXT.

拍手[0回]

PR