「ふっ。最近キャぺツとか高くって困ると思わない?」
ぷぢっ。
まあ……キーガに人生相談とかした結果はそうなるとは、
何となく予想は出来てたよ。
出来てたけど……ああまで綺麗に決まってくれると……とてつもなく
清々しいというしか……ねえ……?
でもナーガだからあれくらいは何でもないと思う。
絶対に。
「……アメリア、同時に行くぞ」
「はいっ!」
「ガウリイの旦那。剣を」
「ん? おお!」
アメリアが即座に頷いてゼルガディスの横に並び、さっと身構え、
ガウリイが柄だけの剣を彼に投げ渡す。
とりあえず私もこっち側の戦闘? に残されたんだから一応、
加勢はしておかないといけないかなあ……。
いや、むしろしておこう。
使いたい魔法を使えるなんて、こんな機会はほとんどないだろうし。
ゆっくりとアメリアの横に移動すると、ゼルガディスが少し目を細めて
私の方を見やる。
その視線にちらりと彼を見て笑って、片手を挙げた。
2人が剣の柄を握って、私がその横に立つ。
この状況で不謹慎だけど……この構図って何だか、2人が新郎新婦で
私が司会で、『それではお二人の初めての共同作業、ケーキ入刀です!』
とかやってるように思えるわ……。
「「「デモナ・クリスタル!!」」」
私は呪文はなくても大丈夫なんだけど、変に思われるからね。
2人にきちんと合わせて唱えつつ、呪文を発動させて光の剣に収束させる。
とたんにデモナ・クリスタルの威力が増幅されて、キーガに向かって
青い閃光が襲っていった。
「……効かないんじゃない?」
ドロシーの言うとおり。
その多大な威力でもキーガはものともしなかった……。
まるで効いてない……。
光の剣 + デモナ・クリスタル×3ってかなりの威力だと思うんだ。
きっと純魔族ぐらいだったら、滅びてるくらいじゃないかな。
それにしても、やっぱりすごいな、本物の光の剣……。
もといダークスターの腹心であるゴルン=ノヴァ。
……うーん……ガウリイが光の剣を持ってるってことはヘルマスターの
陰謀の前ってくらいの時期なのかな?
リナたちのとこは?
「……文句言うなら何かやってみせてくれ」
「そー言われてもねー」
ドロシーがゆっくりと足元にある、多分、崩れた城の瓦礫の一部であろう
手ごろな石を拾った。
その瞬間。
私の中にドロシーと初めて遭遇した時に感じた、
何かの違和感が強くなった。
この違和感を私が知ってるような気がするのは何で――。
「だいたい、妊娠3ヶ月でこういう運動は」
ド ロ シ ー、
大 大 爆 弾 発 言 。
NEXT.