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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第3章 台風6号 聞き込みしたいんですけど(1)





さてさて、これから私の方はどうするとしますかね……。
他の宝物庫がどこにあるのかは分からない。

うーん……?
これは私もホールに向かえという示唆なんですか?
確かに、そうした方が向こうでの話の展開は簡単に掴めるし、
状況の把握とかもちゃんと出来るんだけどね。

私は何かもうこうなってくるとさすがって感じだなと、
ぼんやり思いながらもとりあえず歩いてみる。
きっと、こうして場所も分からず歩いているだけだとしても、
道はホールには繋がってるんだろうしさ。

唯一、宝物庫で見つけてこうして勝手に持ちだしてきた、
たった一つの “あるもの” を落とさないようにしながら手の中で
持て遊んびつつ、そう思う。

「ふーん」

本物じゃない。
……けど、良く手に馴染んでくる。
手に――というよりは感覚……そんな風に言った方が当たっるかも。
いや、まさか自分でもこれがあるとは思わなくて驚いたよ。
とりあえずは、いい収穫かな。

それにしても、歩くにつれて聞こえてくる音が何だか半端ない
破壊音を響かせてるねえ……。
ホールで戦ってるリナとオーフェンの所に、きっとアメリアたちも
天井から合流してヴォイムや手下たち、それにナーガとキース相手に
派手な立ち回りをしてるんだろうなあ……。

「とりあえず、のんびりするより急ぐしかないかな?」

たたっと走るように足早に前へと行こうとして。
ふと気がつけば、私の目線は床の赤い絨毯に落ちてた。

小さく溜息をつく。
無理やり絨毯から目を離して、前を見やった。



私が見下ろした斜め先の低位置。
そこにはいつも、確かに白い毛並みの彼女がいた。
ふわふわの両翼をしっかりと広げて、四本のしっぽを立たせて、
澄んだ青い瞳で私をまっすぐに見上げてくる彼女が。



「行こう、……白雪」



返事はない。

あーあ、私は最近こうやって斜め下を見てることが最近は
多くなってきてるんだろうな……。

「な・にぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

目指す目の前から、驚愕のような激怒のような悲鳴が響いてくる。
今度こそ私は、目の前を見据えて走り出した。





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