「むっ!!」
私と一番最初にばっちりと目があったのはアメリアで、
彼女は私に気がつくと大げさに驚いた。
そしてばばっ、と体制を整えると、びしっ! と指を刺してきた。
「あなたが魔王ヴォイムですねっ!!」
「いいえ違います」
私はその言葉をきっぱりすっぱり否定する。
人を指差しちゃ駄目だよー、私も時々指差しちゃうけどさー。
ぴしりっと固まるアメリア。
そこにボニーが独り言のように追い討ちをかけた。
「さっきも間違えたばかりですわよ」
「……この子っていつもこうなの……?」
「いつもこうだぜ」
「ぐ」
ああ、いつも天然気味なガウリイにきっぱりと言い切られたら、
ちょっとどうしようもないよねえ……アメリア……。
のほほんとしてるかと思いきや、いきなり鋭く突っ込む時があるし。
ガウリイに関しては、実は相当の切れ者なんじゃないかと私は
疑ってるんだけどねえ。
もちろん、天然な部分もあるだろうけれど。
多少、可哀想になってきたから自分から声をかける。
「えーっと……君たちもこの場所に何だかよく分からないうちに連れて
来られちゃった感じなのかな?」
「ええ、そうなのよ。いつのまにか外のカフェテラスにいたのよね。
この子たちもそうらしいんだけど、もしかして、あんたも?」
「そんな感じかな」
それじゃあ、この場所にちょうど10人連れて来られたわけだ。
スレイヤーズの世界からは、メインパーティのリナ、ガウリイ、アメリア、
ゼルガディス、それにナーガ。
オーフェンの世界からはオーフェンとコギーとボニー、ドロシーとキース。
波乱に満ちたメンバーだなあ……。
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