ゴン
「……ん……?」
これからどうしようか悩んでいた私の耳に何かの音が聞こえてきて、
きょろり、と部屋の中に視線を巡らせる。
けれど静かな空間に、気のせいかと思った瞬間。
また同じ音が耳に届いた。
それも、少しだけ大きくなったような音が。
ゴンッ
体に伝わるような振動はまったくない。
だけどそれは、何か重く硬い物を叩くような感じの音で、
どうも比較的近くから響いてきてるみたいだった。
ゴンッゴンッ
今度は、2回続けて聞こえてきた。
その音はあきらかにこの部屋の中でしてる。
私は眉をひそめながら発信源を探して、ふらりと歩いてみる。
「……何だろう、この音? 一体、どこから……?」
ゴォンッ!! ゴォンッ!!
ぴたりっと足を止める。
――まさか、下?
床に目線を落として、ゆっくりと足をどけてみる。
すると、そこに四角い蓋のようなものがあった。
ドゴォンッ!!!
確かに音は今この蓋の下からしている。
それもさっきより、かなり強い音がしてきた。
少しだけその蓋から離れて、ぴっとそれに向かって指差す。
さっきはスレイヤーズだったから、今度はもう一度。
「アロホモラ」
ズッドゴォオオオン!!!!!!
蓋の鍵を開けた瞬間、その真下から気持ちいいくらい天井に向かって
蓋が吹っ飛んでいった。
ゴトンと部屋の彼方に落ちる蓋はそれなりに厚みがある。
結局こういう魔法じゃこの世界のものは壊せないんだから、一応、
開いたっていった方が当ってるのかな……?
「あら、ちゃんと開きましたわね」
「今まで硬かったのに、何でいきなり簡単に開いたんだ?」
「これも一途に正義を信じる力です!!」
「うっうっうっ……よーやく下水道と虫から開放されたわー!!」
開いた穴から、1人ずつ次々と出てくる4人の男女。
それはよくよく見ればボニー・マギー、ガウリイ=ガブリエフ、
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン、コンスタンス・マギーだ。
ボニーはどこかぼんやりとしつつ、ガウリイはあっけらかんと、
アメリアは真面目に答え、コギーは泣いていて。
何か……つっこみ担当の人物が、異様に少ないタッグな気がする。
失礼だとは思うけど、コギーだけが何とか常識人だと思うな。
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