あれ……?
――スレイヤーズとオーフェンが交差する……?
私の頭の片隅で何かが引っかかった。
前すぎてよく覚えてはいないけど、何だかそんなキャッチフレーズを
いつの話だったか聞いたような気がする。
その時、リナとオーフェンが同時に叫んだ。
「我は放つ光の白刃っ!」
「バースト・フレアー!」
チュドゴォグワァァアン!!!
磨き上げられた私の勘が危ないと信号を放って、2人叫び始めた瞬間、
さっとヴォイムの背中に隠れる。
次の瞬間、部屋の中を突き抜ける灼熱と爆煙に思わず小さく呟いた。
「危機一髪」
ふと足元を見ると、コゲてぴくぴくしてる元・ヴォイム。
あー元じゃなかったよね、失礼。
今現在、まだヴォイムがコゲてぴくぴくしてる。
リナとオーフェンは攻撃に紛れてダッシュで逃げ出したのか、
もう大広間の中にはいなかった。
……あ……。
思い出したかもしれない。
スレイヤーズとオーフェンが、異世界の中で交差する。
もしかしてここって……あのレア企画 『スレイヤーズ VS オーフェン』 の
世界なのかも?
うんうん……それだったらこの状況も L 様の言葉も納得出来る。
でもあの作品って、原作もドラマ CD も買いそびれたから、
私は持ってないんだけどなあ……。
ふいに私を案内した男の姿と同じのが、どこからともなく
わらわらわらわらわらわらと出てきて逃げたリナとオーフェンのあとを
追って大広間からものすごいスピードで出て行った。
同じ顔があんなに並んでると、気持ち悪い……。
貴賓席を見やるとナーガも同じく、焦げて床に倒れてぴくぴくしてる。
だけど、キースの方はまったくの無傷でけろりとした顔。
ううむ……さすがは正体不明の変態執事……実は魔族だったりして。
NEXT.