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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第2章 台風12号 そしてタイムリミット(1)





「いち」
「にィの」

2人の手が、同時に動く。

「さんっ!!」
「でっ!!」

ビリッ! と盛大な音とともに、エドが叫んだ。
うーわー……あれは痛そうだなあ……。
私は苦笑して肩をすくめた。



3日後。
宣言通りに出来上がったオートメイルを、人体の神経につなぐ瞬間。
それを私は好奇心ゆえに傍で見てたんだけど……。
そういうことに我慢強いエドにしては、かなり痛そうだ。

私は苦笑しながら、ウィンリィのエドにつけたオートメイルの
素晴らしさを説明する様を聞いていた。
だけどエドは、それを無視して外にいるアルの所へ駆け出す。

「あははは」
「あ、気にしないでねセツリ!! エドったらいつもああなんだから!」
「もちろん分かってるよ、大丈夫大丈夫」
「まったく、あいつは……」

昔から、ああだもんねえ。
ウィンリィにそう言ってから私も外に出てみる。

すでにアルの鎧は元通りになって、2人で組み手をやってた。
鈍った身体を軽く動かす程度にしては、結構鋭い動き。
ふーん……さすがあのイズミ先生に教えられただけはあるなー。
護身用じゃなくて、ちゃんと実践向きの体術だ。

1回くらい、イズミ先生には会ってみたかったけど。

飛んできたアルの拳を避けたエドが地面に手をついて、それを利用し、
下から上へと蹴り上げる!
でも、その足をアルは軽々と受け止めてみせると、逆にしっかりと
掴んで、エドをぽいっと空中に放り投げた。

それも、私の方に向かって。

「あっ!!」
「げっ!?」


私がいたことに気がついてなかった2人。
焦ったけどもう遅い。
空中で方向転換出来ずに、エドは私の方に飛んできて。

「アル、投げ方が甘い。エドも次の手を読む!」

飛んできたエドの背中に、ひたりと手のひらを当てる。
エドの重力と飛んでくるスピードに合わせ、私はくるりと体を
半回転させながら、エドをドサリと地面に仰向けに寝かせる。

一瞬、何がなんだか分からなくてぽかんとしてたけど、
すぐに我に返るエドとアル。

「な、セツリ、体術出来るの!?」
「まあね。身内と師匠に教えてもらったから、それなりに」

そりゃあ、叔父さんとクロス師匠は半端なかったさ!!
イズミ先生とだったらどっちがマシだろうか?



エドとアルにせがまれて、私が教わった体術を教えて実践。
そうしてると何か、少佐もいきなり出てきてすごいことになった。
あー、それにしてもひっさしぶりに体を動かした気がする。

……もしもこれで筋肉痛なんてなったら、叔父さんと師匠に
殺されるよねえ……修行サボっててごめんなさい。




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