忍者ブログ

黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第2章 台風12号 そしてタイムリミット(2)





私はエドとウィンリィが起きてくる前に、駅に向かうことにした。
起きていたピナコさんとアルと少佐に、挨拶をすませる。

「僕たちと一緒に行けばいいのに……」
「うむ、我輩たちと行動した方が、何かと安全だと思うのだが?」
「本当に大丈夫ですよ、私は国家錬金術師じゃありませんしね。
 それにセントラルには、特に用事がありませんから」

くすくすと笑いながら首を振る。
するとばっちゃんが、ふーっと煙を吐き出しながら笑った。

「何かあったらいつでもここに帰って来るんだよ、セツリ
 もうあんたも、孫みたいなもんだからねえ」

――今日からあんたもあたしの孫みたいなもんさ。

「うん……ありがとう、ばっちゃん。それじゃあ、そろそろ行きます。
 ……アルと少佐も元気で。エドとウィンリィによろしくね」



駅に行く前に、もう一度母さんの墓に寄る。
手を合わせて私は呟く。

「母さん、私はこれから……あの子を探す旅に出ます。
 休ませてくれて本当にありがとう」

行ってきます。





『よう、二度目は楽しめたか?』
「何ていうかさー出だしに真理の顔見るとやる気なくすよねー」 
『……言ってくれるな……』

私が首を振りながらやれやれと盛大にため息をついてやると、
真理は癪に障ったような声を出す。
ふん、これくらいしたって、いーでしょーが!

『ったく、お前と話してるとこれだから……もう飛ばすぞ』
「はいはい。ばいばい真理、とりあえずありがとね」

とたんに、ぐらりと起きてくる眩暈。
遠のいていく意識。
まあ、伯爵に攻撃を仕掛けられた時よりはマシかな。

――エドワード、アルフォンス。
君たちが無事に元に戻れることを、祈ってる。





NEXT.

拍手[0回]

PR