忍者ブログ

黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第2章 台風10号 1人で出来…るかァア!!(1)





「「コール」」

ストレートフラッシュと、フラッシュ。

「……負けました」
「ふふ」

苦笑して両手を軽く上げて降参の意を示すと、嬉しそうにアレンは
にっこりと笑う。
うーん、ちょっと悔しいな……。
さっきまでやってたチェスは、私の全勝だったのに。

神田の報告書を書き終えて提出した後、アレンの部屋に来て私たちは
別れてからこれまでの話をしてた。
そして何の発端かは忘れたけど、ゲームをすることになった。

「僕、初めてセツリ兄さんに全勝したよ」
「ああ……そういえばそうか。アレンのリハビリ中の頃はずっと私が
 勝ってたしね」
「うん。それに兄さんってば容赦してくれないし……」
「勝負は勝負。アレンだって、リハビリになってたでしょ?」
「まあね」

くすくす笑いながらアレンの顔を覗き見ると、アレンはふう……と
溜息をつく。
そして、肩をすくめながら苦りきった笑い顔で軽く頷いた。
多分……師匠とマザーの事とか思い出してるんだろうな……。
あの2人は、また違う意味で手加減しないしね。

「だから今ではこんな事も出来るようになったよ」
「おおっ!」

アレンが片手でトランプを持って指で弾いた。
すると右手から左手へとトランプを一枚ずつ飛んでいく。
ピルルルッと軽快な音を立てて飛んでいくトランプは、しばらくして
全てアレンの左手に収まった。
あはははと声を立てて笑って、私は拍手を送った。

「すごいすごい! マジシャンになれるかもよ、アレン」
「トランプだけの、ね」

その言葉に思わず二人して笑いあう。
トランプの数は54枚。
数字の組み合わせは計算すれば弾き出せる。

そこに運が加われば?
誰かの手が加われば?

可能性は限られない。
全て未知数になっていく。

「One more game ?」
「Match」





夜遅くまでアレンとゲームしてたけど、夜に強い私は寝坊することなく、
朝もしっかり起きて。
任務もなかったから科学班と一緒に朝から資料探しを手伝ってると、
コムイ室長が呼んでると、ろくじゅうごが教えてくれた。

「ジョニーさん、ごめんね」
「ううん。手伝ってくれてありがとう、セツリ

私はつい今しがた手伝い始めたジョニーさんに謝りながら、
お詫びにハンコ待ちの資料を受け取って室長の所へ行く。
もちろん白雪も一緒。
任務……かな?





NEXT.

拍手[0回]

PR