「……だー! 駄目だ! さっぱり思い出せねえ!!」
「うーん……僕も思い出せないなあ……」
「仕方ないよ、あの時のエドもアルも、結構幼かったから」
「何年ぐらい前だ!?」
まったく私のことを思い出せないことにムキになってるのか、
エドが私の方をしかめっ面で見てくる。
何年前って言われても……。
私にとってはほんの数日前のことだしなあ……。
さて、何て答えるべきやら?
でもここまで言ったり聞いたりしてたら、
今の質問の答えを絶対に聞きたがるだろうからね……。
「そうだな……確か、6年か7年くらい前になるかな?」
「6、7年って……ちょっと待てよ、セツリその頃、何歳なんだよ!
っていうか、今は何歳になるんだよっ!?」
「19だよ」
「「19!?」」
特に隠しもせず答えると、エドとアルが声をそろえて驚く。
ちょっとあのね君たち……何だい……その反応は?
まあ、確かに身長もそれほど高いわけでもなくて、日本人だから
少しは幼く見えるんだろうけど。
「……てっきり、俺と同じ15か16だと思ってた……」
「ご、ごめんセツリ……僕もそうだと……」
「そこまでっ!?」
じゅ……15か16歳って。
相当幼く見られてる気がするんだけど……気のせい?
ウィンリィは、年上だって言ってくれたのに!!
ん、待てよ…………あれ?
ウィンリィは確か 『セツリさんって年上ですよね?』 って
明らかに疑問系だった!!
クエスチョンマークが!! 語尾のアクセントが上がってた!!
私って……そんなに子供っぽいのかなあ?
ショックだ……せめて日本人だからってことにしておいてほしい。
っていうか、東方司令部の皆が、何だかんだ優しかったのは
もしかしてエドとアルと同じ理由……なのかな……。
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