そして次の日、私は起きると丘の上に足を運んだ。
焼け落ちた家の残骸と、庭にある焼け焦げた大きな木。
それだけが残ってるこの場所。
半年も住むことがなかった家を見下ろして、目を閉じる。
エドとアルはどんな思いで家を焼いたのか。
それはどうやっても、私には分からない。
何故なら、私は二人が辛い時に傍にいてやれなかった。
アレンたちは今も傷ついて、死にそうになってるかもしれない。
なのに……私は一体、何をしてるんだろう?
訳も分からないまま異世界に飛ばされては飛ばされて。
私は一体、何をしたらいいんだろう?
「っと」
目を開いた時、ひらりと何かが落ちてきて。
私はとっさにそれを掴んでしまった。
掴んだのは、白い鳥の羽。
「……白雪……」
はっと我に返って、私はぶんぶんと首を振った。
私が……。
仲野雪里がうじうじと悩んでるなんて、絶対似合わない!
それに――私は自分に誓ったんだ。
白雪を見つけるんだって。
白雪が……もしこの世界にいないなら。
……次の世界で。
またその次の世界で、必ず見つけてみせる!!
ぱん! と頬を両手で叩いて、私はばっちゃんの家へと戻る。
すると、何だかぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあとわめく、
というか……叫びあう声が聞こえてきた。
「だれがちっさいって!? このミニマムばば!!」
「言ったねドちび!!」
「豆つぶばば!!」
「マイクロちび!!」
「ミジンコばば!!」
…………。
何つー、不毛な言い争いをしてるんだろう……。
余計に両者の傷をえぐってるだけなんじゃないのかな……。
特にエド……。
NEXT.