「さっぱりわけが分かんないんだけど?」
『いーんだよ、別に今は何も分からなくても。お前はまだまだ
放浪しなくちゃならないんだからな』
「分かりたいけど……放浪?」
ってことは、何か?
また違う異世界へ行けってことですか?
ああーもうっ!!
一体何で、私はこう色々な異世界をトリップトリップしなくちゃ
ならないんだってば。
普通なら普通は何かを達成すればとか、誰かを手助けするとか、
事件が終われば最後に自分の世界に帰れたりするのに。
げんなりとした顔をすると、真理が肩をすくめた。
『ま、気楽にやればいいんじゃないか? お前はお前らしくすれば』
いやそれ、真理には一番言われたくないよ……。
その通りだけど何か悔しい。
「それで現実じゃなかったら、今度はどこの世界なんですかー」
『いや、まだこっちだ。少し時間は経つことになるが、俺が貰った
対価で問題ないだろ。じゃあさっさと飛ばすぞ』
「いきなりか……」
別にもういいけどね……俺様真理にはどうせ適わないさ。
アーン? とか、俺様の真理に酔いな、とか言わないんだったら、
もう別に真理なんてどうでもいいさ。
あーあ……今度はどの場所に飛ばされるんだろ。
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトンガタン。
揺れる。
揺れに揺れまくってる。
何か気持ち悪くて、何か腰が痛いよ。
「おかあさーんっ!!」
「ああっ……ジュリエンヌ……!!」
「おい、大人しくしろって言ってんだろ? 悪いが容赦しねえ」
「残念! お前が大人しくしろハリセンス斬り!」
ズッパァアアアン!!!
斬り、といっても実際は切れないんだけどね……。
というか……このネタって、もはや向こうの世界では古い領域に
入るかもしれないな?
むしろ覚えてる人っているのってぐらい?
うーん、ジェネレーションギャップもどきに少しショック。
ちなみにハリセンスは真理に取られたイノセンスじゃなく、
同じ形のを思い起こして練成しただけ。
NEXT.