――にゃあん
どうしたの白雪、そんな所で?
ほら、こっちにおいで。
――にゃあ……
『兄さんが……っ!? それは本当なんですか!?』
もー、そんな大声で呼ばなくってもいいよ。
ちゃんと聞こえてるってば、アレン!
そんなに慌てて……どうしたの。
『うん……』
って、コムイ室長はまーた仕事サボってるんですか!!
もう……ちゃんと仕事して下さいよー。
科学班だけじゃなく、迷惑がかかるんですからね!
「そんなはずは……そんなはずは……っ!!」
「アレン、アレン、ちょっと落ちつくさ!」
「ラビはこれが落ちついていられるんですか!?」
「……それは……」
ちょ、待って、お前ら何の話をしてるのさ?
一体……何の話をしてる……?
『信じられません……どうしてセツリ兄さんが……! どうして、
どうして行方不明なんてこと……っ!!』
『兄さん……セツリが消えたって……それ、本当はいつの話なの……?』
『……アレンくんの初任務の時だよ。神田君と組んだ時の……』
――ああ、そうか……。
皆……コムイ室長から私のことを聞いたんだね。
ということは、ちゃんと送れてたんだ。
私が千年伯爵に会った時、伯爵に気がつかれないように教団に向けて
密かに送っていた信号……。
ちゃんと、届いてたんだ。
――ニンム ナガビク キカン オソクナル――
『……あいつは誰に会った……? コムイ』
『――千年伯爵。……状況的にそう考えて良さそうだ』
『ちっ!』
神田もそれなりに心配してくれたんだ?
あはは、何か嬉しいよ!
……いっつも憎まれ口叩いてたくせにねえ。
『セツリ兄さん……!!』
ごめんね、みんな。
NEXT.