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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第2章 台風の目 あの人へ(4)





私にとって、姉のような、妹のような人。

兄さんに言われて、あの人を門の所まで迎えに行った。
睨むカンダに笑顔で話してる時は、すごく驚いた。
誰も任務帰りのぎすぎすしたカンダには、近寄れないから。

ディスプレイを見た時には、多分男の人だと思った。
だけど近くに行ってみたらすごく違和感を感じた。
どことなく……何かが違っているような、そんな違和感。
その人が声を発した時、ただひとつ答えが出た。

「私は仲野雪里セツリでいいよ」

女の子。
それがはっきりと分かった。
どうして男の子の姿をしてるのか、聞いてみた。
そうしたら一瞬だけ驚いて、でも楽しそうに笑ってくれた。

「こっちの方が何かと動きやすいからね」

スカートが似合わないしと言う笑顔に、少し首を傾げる。
私からすれば、そんなことはまったくないと思った。
カンダとは違った、柔らかい綺麗な髪と瞳。
それに彼女は、とてもスタイルが良いと直感で分かった。

「お願いだからもう勘弁して」

それに兄さんの悪戯で、髪が長く伸びてしまった彼女。
抱きつきたくなるくらいにすごくすごく可愛くて。
それに、教団に女の子はほとんどいないから嬉しくて。

だから姉のように、妹のように感じてた。
時々ちょっとだけ、兄のように。

あと、どれくらいで任務から帰ってくるかしら?
多分白雪とたいしたことなかったって、笑ってるわよね。
そしてそのまま、笑顔でホームに戻ってくる。



「リナリー!」
「あ、アレン君! おはよう。なあに?」
「おはよう。コムイさんが僕たちに話があるんだって」
「兄さんが? 分かったわ、行きましょう」
「うん」



私が描く 世界の ピースに 一つ
笑顔の あなたが いたと いうのに
それは突然 どこかに 消えた。





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