私にとって、姉のような、妹のような人。
兄さんに言われて、あの人を門の所まで迎えに行った。
睨むカンダに笑顔で話してる時は、すごく驚いた。
誰も任務帰りのぎすぎすしたカンダには、近寄れないから。
ディスプレイを見た時には、多分男の人だと思った。
だけど近くに行ってみたらすごく違和感を感じた。
どことなく……何かが違っているような、そんな違和感。
その人が声を発した時、ただひとつ答えが出た。
「私は仲野雪里、セツリでいいよ」
女の子。
それがはっきりと分かった。
どうして男の子の姿をしてるのか、聞いてみた。
そうしたら一瞬だけ驚いて、でも楽しそうに笑ってくれた。
「こっちの方が何かと動きやすいからね」
スカートが似合わないしと言う笑顔に、少し首を傾げる。
私からすれば、そんなことはまったくないと思った。
カンダとは違った、柔らかい綺麗な髪と瞳。
それに彼女は、とてもスタイルが良いと直感で分かった。
「お願いだからもう勘弁して」
それに兄さんの悪戯で、髪が長く伸びてしまった彼女。
抱きつきたくなるくらいにすごくすごく可愛くて。
それに、教団に女の子はほとんどいないから嬉しくて。
だから姉のように、妹のように感じてた。
時々ちょっとだけ、兄のように。
あと、どれくらいで任務から帰ってくるかしら?
多分白雪とたいしたことなかったって、笑ってるわよね。
そしてそのまま、笑顔でホームに戻ってくる。
「リナリー!」
「あ、アレン君! おはよう。なあに?」
「おはよう。コムイさんが僕たちに話があるんだって」
「兄さんが? 分かったわ、行きましょう」
「うん」
私が描く 世界の ピースに 一つ
笑顔の あなたが いたと いうのに
それは突然 どこかに 消えた。
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