「ふむ……体温も正常、喉の炎症も無し。これならもう大丈夫だね。
だけど、一応今日の所は安静にして寝ているんだよ」
診察を終えたばっちゃん(でいいって言われた)が、私の肩をぽんと
軽く叩きながら笑う。
服のボタンをしめながら、私はお礼を言った。
「ありがとうございました」
「ああ、別にいいんだよ。今日からあんたも、あたしの孫みたいなもんさ。
敬語もいらないよ、分かったね?」
「……うん、ばっちゃん。ありがとう」
ほどかれてたさらしも、ちゃんと巻いてもらってすっきり!
ぐぐっと腕を伸ばしてると、バンッ! と扉が開いた。
驚いてそっちを見る。
すると、2つの金色が私に向かって突っ込んできた。
避けれる俊敏さも今はなかったから、結局、突っ込まれた。
……師匠修業サボッテテゴメンナサイ……。
今のがアクマだったら私は確実に死んでたなー。
私って……。
「これ! 何なんだいお前たち!」
「ねぇ!! 本当にぼくたちの姉ちゃんになってくれるの!?」
「おかあさんがそう言ってたんだっ!!」
ばっちゃんの叱る声をもろともせず、エドとアルは顔をきらきらと
輝かせながら私に聞く。
私の上に乗ったままだと、ちっちゃいけど重いわっ!!
「降りてくれないとならない」
ぱぱぱっ!! とベットの隣に身体を戻す2人。
現金だなあ……そんなにお姉ちゃんがほしかったのか……?
じっと見つめてくる2人に、私は思わず目を瞬かせて一瞬間を空ける。
でもやっぱり堪えきれなくて、笑って答えた。
「なるよ」
「「やったあ!!」」
手を打ち合いながらわいわいと叫び始めるエドとアルの様子に、
ばっちゃんは呆れた顔をする。
そこにキレたアレンと似たような笑みを浮かべた母さんが入ってきた。
「エド、アル? 静かにしなさいね♡」
「「ごめんなさいおかあさん」」
もしかしなくても母さんって最強キャラ?
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