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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

第1章 台風5号 ほんとのところ(1)





「本部に行け。」
「じゃー師匠も一緒に行かなくちゃいけませんねー」
「嫌だ」
「ふざけないで下さいよ、師匠?」

はっきりきっぱり断る師匠に、私はにっこりと笑って言ってやった。
まあ実の所アレンに対して行ってた漫画の内容から、そう言うだろうとは
何となく思ってたんだけどねー。

というかその前に、私は本部がある場所知らないし。
イギリスってだけしか知らないからね。
一応旅費は、師匠と違って何とか余裕あるけどさ。

「本部の地図だ。明日の朝にでも出発しろ」

ばさりと私に押し付けてくるのは、四つ折りにされた紙と封筒。
封筒の裏には、ほとんど走り書きのような師匠のサイン。
じろりと、師匠を下から睨みつけてみる。

「紹介状を書いてやったから、コムイという幹部に渡せ」

そこで出てくるんかコムイ室長がっ!!

……師匠め、アレンの時には送るのに……紹介状。
私は深く深く溜息をついた。
なんだかんだで私がこの1年間、何回も何回もハリセンスで叩いても、
どうせ最後は師匠に逆らえないでいたけどね……。

「――分かりました」

結局、今回も逆うことは出来なかったか。





「さてと……荷物整理でもするかなー」

まあ、荷物をまとめるって言っても……。
ただ数着の着替えと、今までに趣味で買った数冊の本だとかをぽぽいっと
トランクに入れるだけなんだけどさ。

私はかりかりと頭をかいた。

とりあえず、必要なものをぽいぽいトランクに放り込んでいく。
使わない道具とか読まない本は、どうしようかな。
出来れば捨てたくないし、欲しければアレンにあげるか。
うん、そうした方がエコとしても断然いいね。

もちろんこの世界に来た時に着てた制服も、ずっと使っているポーチも
トランクにしまいこんでると、ふいにドアの方から声がかけられる。

「……<span class="2">セツリ</span>兄さん……」
「アレン」

ああ、そっか、アレンにこう呼ばれるのもお別れか。
初めてアレンに “兄さん” って呼ばれた時は、すごく嬉しかったな。
私って1人っ子だったから、そういうの憧れてたしねえ。
それでもまあ……。
未だに、師匠もアレンもまったくあることに気づいてない。
それは私の言動にも、原因があるとは思うけど。

最初で最後。

もしもあの夜言ってたりしたら、師匠は驚いてくれたかな?
私がその事を言って師匠が驚いて……そしたら……うん、
真剣に爆笑したかもしれないけど。





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