何だろう、さっきからピアスが熱い。
このままだと耳たぶが熱くなって火傷の時とかに
掴めなくなるじゃんかよコノヤロー。
……一体、何なんだろう。
ピアスが熱くなるなんて今までなかったのに?
いや、頻繁にあっても困るんだけどさ。
私はそっとピアスに触れた。
――どくん
ピアスが脈を打ったような感触。
そんなのが、指先に広がった。
「うわっ? 何、これ……?」
もう一度、おそるおそるピアスに触れてみる。
だけどそれはやっぱり、気のせいなんかじゃなかった。
脈打ってるというより―――何かとの共鳴っぽい。
……共鳴……?
ここって、多分 D.グレの世界なんだよね。
今度は気のせいじゃなく、ちゃんと指先に感じてる。
ってことは……そういう事だってありえるかも?
いや、ありえる!!
根拠なんか一切ない確信。
ぐっ、と拳を握って私は勝利の笑みを浮べた。
掌全体で、しっかりとピアスに触れる。
――どくん
――どくん
やっぱり共鳴してる――これは私のメロスなんだね!?
よし、これならきっと、私でもやることが出来る。
あんな腐った人体模型の大砲から……
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだっ!!
私は辺りに響くほどの大声で叫んだ。
「我は求む 神々の剣!!」
しまった、これじゃオーフェンだ!
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