「……あれ?」
きょろきょろと周りを見渡す。
そして、私はぽかんと間抜けな声を上げる。
……ここ……何処だ……?
私の周りに見えるのは見慣れた町並みじゃない。
どこもかしこも、見る限りでは外国風な建物ばかり。
しかも何だかボロっちくて、オマケに人の気配がしない。
えーっと……?
私、迷子になった覚えはないんだけど……。
いつもの家路をスキップしてたはず。
「えーっと……あっ!? 嘘、通ってきた道がない!?」
確認するために後ろを振り向いた私は驚愕する。
たった今まで、スキップしてきたはずの道がなくなっていた。
代わりに、小さな噴水のある広場がある。
そして。
その噴水が目の前でいきなり無残に壊された。
「不思議ミステリーッ!?」
砕かれた噴水の向こうで、ゆらりと黒い影が揺れた。
吹き荒れる水しぶきと瓦礫。
その向こうから出てきたのは――現実にはありえないとしか
言いようがないくらい、形容しがたい “バケモノ” 。
何つーか……夏場の出し忘れた生ゴミ袋から漂ってくるような
悪臭がしそうな形。
えーと、人体模型がほどよく腐って溶け始めて丸まった感じ?
そこから何本もの大砲らしき大筒が突出してる。
しかも大砲っぽいのが、私の方に向いてる。
もしかしてこれってヤヴァい?
ドゥンッ!!
「うだわわわわわわわわわあっ!?」
もちろんのこと、ヤヴァイ遭遇でした!!
腐った丸い人体模型が何でだか私に向かって、
思いっきり大砲を発射してきたのを、かろうじて避ける。
最高に素敵な私の反射神経に、乾杯!
……ってなことを余裕で考えてる場合じゃなく。
奴は私に向かって、大砲をばんばかばんばか打ってきてる。
待て待て待て、何でそうなるんだ!!
私は貴様ごときに恨まれる覚えはないっ!!
D.グレの発売日だから、マイ・ラブリーフレンズ に掃除当番
押し付けたりしただけだ!
……え、それが原因?
NEXT.