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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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狭間



 


お前は何も知らないのだな。
生きる喜びも、幸せも、出会いも。

お前は知っているふりをするのだな。
死んでいく哀しみも、苦しみも、別れも。

己を傍観者だとも言わずに
ただあるがままそこにある。

心も身もあるがままの姿。

それはまるでありし日の赤子の姿。
それはまるで全てを悟る老人の姿。



何も知らず何かを悟るあるがままの真っ直ぐさ。



誰かは愚鈍だと言うのだろうか。
それとも純真だと言うのだろうか。

誰かとは誰を示すのだろう。
お前が嫌い呆れる人間か。
全能の神なのか、堕ちた者なのか。

それを問いかける事もせずに
お前は生死を肯定しては否定していく。

ならばお前はどうなのだろう。

生を捨てたお前は死んでいるのか。
死を望んだお前は生きているのか。
私に分かるとでもいうのか。

生きながら死んでいるなどお前には当てはまらない。
死してなお生き続けているというのも間違いだ。



お前はここに在る。



生きているか死んでいるかなど瑣末な事。
その事実に囚われずにお前はここに在るのだ。
在るという肯定が生を示すのではない。
在るという否定が死を示すのではない。

事実こそが全てになりうる。
それがお前の全てなのだから。

笑い、荒み、傍観し、肯定し、否定する。
視線、言葉、感情、思想、願い。

それがお前をかたどる。
かたどられたお前がここに在るのだ。
夢でも幻でも現でもなくただあるがままの真実。
事実を突きつけられた中立。
狭間の答え。





「お前はまたそーやって変な事をベラベラと……」
「主人の事を考えてくださってるんじゃないですかー」





END.

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