忍者ブログ

黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

夢秘める言の葉





さわり、さわりと風が吹いては木々をささやかせる。


小さな秘め事にくわしく問いただす必要はない。
それはただの無礼な行いでしかなく。
あるいは感情に疎いとしか受け取れない。


生命あるものには、等しく秘めごとがある。


人によりそれは砂一粒ほどであれば。
人によりそれは星一つほどであるだろう。


人によりそれは、知らなければならないことであれば。
人によりそれは、知らないことこそがいい時もあるだろう。


秘めごとは一人のものであり全ての人のもの。
いつかは秘めておけない時も来る。


音にしなくてはならないのか?
心に置けばいいではないか?


秘めごとは秘めごとでしかなく。
知りたがる想いは決して罪などではなく。


決して―――





「……あなたは最期まで何も言いませんでしたね?」
「別にいいだろう。手紙に残したしな」
「手紙でなく声に出してあげれば、あの娘はもっと喜んだでしょうに」
「今更、面と向かって何を言えと言うんだ」
「本当に恥ずかしがり屋も、直りませんでしたね」
「うるさい。お前に言えなくて誰に言う」
「そういうところも、変わりませんね」

「変わらなくて……いい」





END.

拍手[0回]

PR