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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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5 勝ちゆくギャンブラー

 
 
 

生きている実感を、胸にいだくのだ。



顔につけるのはかたいペルソナ。
外れることのない、静かな笑みを張り付ける。
ペルソナをつけていると知られてはいけない。
心の内を読ませてはならない。


道を決めろ。


きらりと落ちたコインを手の甲で受け止めた。
表の刻印は―――トランプ。
さっと胸のポケットから抜き出して、カモという名の
“ピース” にくばる。

けれど手に取るどころか、カードは腕に深く突き刺さった。
さよなら、その腕はもう使えない。
ペルソナが外れて、心をそのまま表に出している。

君はもうこの “ゲーム” から降りなければならない。
指も動かなければ、口も動かない、目も足も心臓さえもが。
ならば負ける “ゲーム” を続ける必要はどこにもない。
運命の輪は、君の前ではもう回らないのだから。

投げたコインを手の甲で受け止めた。
裏はトランプ、表の刻印は―――ダイス。
ソデに入れておいた、六角の小さな二つのカケラを振る。
“ピース” はダイスの目を見ず、ノドに食い込ませた。
出た目は 6 と 6 。

限りはあるけれど、振るうまでの可能性は未知数。
けれど君の運命は二つしか選べない。
運命に見離された君には、もう用はない。


次は何で勝負をしようか。
スロット、ルーレット、またカードゲームをしようか。


かけられるものは全てかける覚悟を持つといい。
財宝であれ、人生であれ、己の命であれ。
それが勝負をかける者の心だ。

その勇気がないのならば、早々に “ゲーム” から身を引くといい。
今ならまだ、無一文にならなくてすむのだから。





私は勝つだけの “ギャンブラー” として生きている。





END.

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