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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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政宗-2

※母親捏造注意。




ごめ……っ!
ごめんなさい……ごめんなさい……!

『まったくあんたって子は、どこまで悪ければ気がすむの!?
 いつもいつも、何でもかんでも謝ればすむと思って!!
 くだらない言い訳なんて、私は一言も聞きたくもないわ!!
 びくびく怯えて謝るだけで、一体何が面白いっていうのよ!!』


ごめんなさい……。

『だから、どうせ謝ればいいとでも思ってるんでしょう!?
 本当に鬱陶しいったらないわ!! 何なのよ、何がしたいの、
 あんたは!! あたしたちに迷惑ばかりかけて、一体何がしたいって
 言うのよ!!』


……ごめんなさいっ……!

『うるさいわよ、少しは黙りなさい!! あんたがそうしてるのは、
 あたしが嫌いだからでしょ!? あたしもあんたのことがこの世で
 一番大嫌いよ!! 思う存分、好きなだけ怯えてればいいじゃない!!』


ち、ちが……きゃうっ!

『ねえ、痛いの? これが痛いの? だったら痛いってちゃんと言って
 みせなさい!! どんな風に痛いのか、はっきりと、言いなさいよ!!
 痛いのなら、ちゃんと泣いてみせなさいよ!! こんな髪して薄気味悪い……
 あんたなんか生まなければ良かった!! あたしはあかねがいれば
 満足なのよ!!』




『おねえちゃん』

――あかね。

『おねえちゃん、またほっぺた赤くなってる。どうしたの?』

……何でもないから、気にしないでいいよ。
ただ転んでぶつけただけだから。

『ほっぺただけじゃないよ? うでも、あおいとこあるよ?』

大丈夫、全然痛くないよ。
あかねは何も心配しなくていいんだからね。
笑ってくれればそれでいいんだよ。

『――おねえちゃん! ちかくにいどがあったの、しってた? きょうね、
 せんせーに、あぶないからちかづいちゃダメっていわれたんだよ。
 ……でも、きになるの! おねえちゃん、こんどいってみよ?』



『……? Hey, girl. そんな所で何やってんだ?』
『おい、ここは戦場が近いから危ねえぞ』

ここ……どこ……?
お兄ちゃんたち、誰……?

『 What ? まいったな、迷子ってやつか……』
『ここは奥州の国境間近な所だ』
『……っていうか……お前は1人でこんなとこまで来たのか?
 この近くに村なんてねぇはずなんだがな……』

……おう、しゅう……?
あたし……井戸に落ちたけど、いつのまにか外にいたの。

『井戸!?』
『近くに井戸など、なかったと思いますが……』
『Hum……あー、お前がいた所の名前は分かるか?』

東京……。

『 と……とーきょー? Where is it? (そりゃどこだ……?)
 本格的な迷子みてぇだな、これは』
『そのようですね。どうしましょうか……』

……ご、ごめんなさい。

『 Ah ? 別にお前は悪いことはしてねえだろ。何で謝んだよ』

……だって……あたしが困らせてるから……。
あたしが悪いから……。

『……お前は何も悪いことなんてしてないだろう。俺たちもお前に
 謝られるほど、困ってるわけじゃない』

――っ!!!

『!?』
『おい、どうした? 小十郎が怖かったか?』
『私はただ、頭を撫でようとしただけなんですが……』

ごめんなさい、ごめんなさい!! 謝るから……っ!
ごめんなさい…ぶたないで……!! お、おかあ、さん……
ごめ、なさ……っ!!

『―― …… Hey, 少し落ちつけ。……大丈夫だ、俺もこいつも、
 お前のことを絶対にぶったりしねえ』

だ、だって、おかあさんが……びくびくしてるって……!
おかあさん嫌いじゃないもん……ほんとだもん……!
でも、い、いらないって……生まなきゃ良かったって!!
薄気味悪いって言って……!!

『ほう……そりゃまた、何でだ? 俺には薄気味悪いとかそんな風に
 見えねえんだがな』

……あたしの髪が白いから……。
妹はちゃんと桃色なのに、あたしは白いから……。

『ほう? 俺の目にはうっすら pink がかってっと思うが。なあ、小十郎。
 そんなに俺の目は狂ってたっけか?』
『いいえ。私にもそう見えております』
『だろ? なら、心配ねぇよ。俺の目は狂ってねえってこった。何だ、
 良い色じゃねぇか。そこらの花より beautiful だ。他の奴らはしてねえ、
 お前だけの色じゃねえか! ……ん? 瞳も Green なのか?
 すげえ綺麗な組み合わせだな』

……あたしだけの色……?
ほんとに、本当に良い色してるの?

『一生お前だけの色だぜ。俺が保障してやる』
『ああ、とても綺麗だ』

う、うえっ……うえええん……!

『 Ah, 泣くな泣くな』
『殿、そんな乱暴なやり方じゃいけませんよ』
『うるせえ』

ふえ……っく、ひっ……っ……!
ぐすっ……うん……ありがとう……。
片目のお兄ちゃんと、おっきいお兄ちゃん……!

『 Stop ! 俺は、 “片目のお兄ちゃん” って名前じゃねえんだぜ。
 ちゃんと政宗っていう名前があんだからな。こっちは小十郎。
 Do you understand ? 』

政宗お兄ちゃんと、小十郎お兄ちゃん?

『 Yes, That's light ! ちゃんと覚えてろよ』





「――ん……?」
「あ、コラ、あきらっ!!ようやく起きやがったな!! ずいぶんとまあ
 寝こけてくれたようじゃねえか、 Ah ? 分かってんのか、テメェ?
 おかげでこっちはさんざん小十郎に仕事を押し付けられたんだぞ!!」
「政宗様が本来やるべき仕事なんですから、当たり前ですよ。
 しかし縁側で寝ていると風邪を引くぞ、あきら

「…………まさむね? こじゅーろー?」

「おいおい……、お前って奴は、まぁだ寝ぼけてやがんのか……?
 Wake up early. (早く目ぇ覚ましやがれ) 」
「昨夜は眠れなかったのか?」
「んー、いや……別にそんなことはないんだけど……」
「ったく」

「……ねえ政宗、あたしの髪ってさ……」

「 Ah ? お前の髪がどうしたって?」
「……いや」

何でも、ないよ。





たった一つだけの色だと 教えてくれたのは

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