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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

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、本当に他には何もされなかった?』

帰ろうと言ったのに、セルティが何度も何度も心配そうに訊いてきて
苦笑する。
臨也がどんな奴か知ってれば、心配するのも分かる気はするけどさ。

とはいえ、あたしが “どこにいた” 人間かを知ることがなければ、
多分もう興味は沸かないと思う。
それ以外に特筆するようなモノを持ってるわけじゃないからね。

……ん?
いやでも、あたしの頑丈っていうとこはモノかもしれないけど……。



「……セルティ? それに、?」

驚きつつも静かな声に、あたしとセルティは振り返る。
そこにはいつもと同じく煙草を咥えながら、少し驚いたように
目を見開いている静雄さんがいた。
あれ……運よく臨也と会ってなかったのかな?
それならそれで、静雄さんの機嫌が平穏のままだから安心だけどね。。

『やあ、静雄』
「こんにちは、静雄さん。時間的にはこんばんはかもしれないですけど」
「ああ……いや、っつーか……お前ら、知り合いだったのか?」

不思議そうに首を傾げる静雄さん。
思わず、あたしはセルティの方を見やった。
静雄さんと知り合いっていうことは知ってるセルティも疑問に思ったのか、
あたしを伺う。

……うん、まあ、静雄さんに苗字言ってなかったからね。
静雄さんが驚くのも当たり前なんだけど……。
あの時は “草薙” でいいか迷って、でも “岸谷” って名乗るのも何だか
気恥ずかしかったからなあ……。
それで名前だけしかz言えなかったんだよね。

「……あー、えーと……。すみません、静雄さん。あの時はつい
 言いそびれてたんですけど、あたしの苗字、岸谷っていうんです」
「――岸谷!?」
『ああ、何だ、静雄に言えてなかったんだ? は新羅がつい最近
 引き取った子で娘なんだ』

唖然とする静雄さんに、セルティもちょっと珍しいものを見たような
反応をした。
もちろん静雄さんに気がつかれないよう、ほんのわずかだけどね。
……というか考えてみれば、あたし自己紹介をした人たちに、
ちゃんと苗字名乗ってないんだよね。

まあ、機会がある時にでいいか。
あまり言いふらすのもどうかと思うし。





初めは隅っこから告げること

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