お前は死に崇高を求めるなという。
お前は死は誰にでも訪れるという。
お前は死が平等だからという。
お前は死の方が様々なだけだという。
お前は死に意図はないという。
たとえ老いて死するのも、
たとえ病に死するのも、
たとえ事柄に死するのも、
たとえ故意に死するのも。
お前は全てあるべき平等な死だという。
お前はだからこそ死に崇高を求めるなという。
お前はだからこそ死に絶望するなという。
お前は死に誤解を抱くなという。
お前はあるがままを生きろという。
お前は迎えられるままに逝きろという。
お前はそれだけだという。
お前は何も変わらないという。
お前は死と生に表裏などないという。
お前は死と生は同じだという。
お前は不死にすがりつくなという。
お前は死に安息を見出だすなという。
私は知っている。
お前は死に崇高を求めた。
お前は死に変化を信じた。
お前は死に比例を当てはめた。
お前は死に違いを知った。
お前は死に意図を感じた。
お前はけれど死に平等を見つけた。
お前は死に絶望した。
お前は死に誤解をしていた。
お前は生を傍観することにした。
お前は死を待つことにした。
誰より死を望んだ。
死を求めた。
それは死に裏切られたお前自身。
だからお前は死を語る。
「そんなんじゃねーっつの」
END.