クラスシリーズ 15

口の中に鉄の味が広がる。
今の衝撃で軽く舌を切ったらしい。
だが、そうでなければ。
戦いはこうでなければ。


あいにくと俺は千里眼じゃないんでね。
次にくる攻撃なんて読めないのさ。
ホラ、こうでなければ。
戦いは面白くないだろ？



全てが読みきれて

全てに対応できて

全てを手の平で踊らせ

全ては思う通りに

全ての風向きを変える



確かにどこかには、いるだろう。
そんな計算だけのヤツが。

俺はゴメンだね。
面白味のカケラもない！



その場その場で動いていいんだ。
感じたら身体を動かせばいい。
ただそれだけでいい。
楽しめるなら。


瞬間瞬間変わるシーンに。
遅れさえしなければ平気なんだ。
怖いコトなんてありはしない。
笑うのは最後だ。



あと、一撃。



笑うのは―――。





「さぁて、藤敵……？その手の中にあるPSPを渡してもらおうか？」





藤敵 弘（ふじがたき ひろし）