あなた達は出会いを果たした。
決して相いれることがなかったというのに。
運命の悪戯で、互いの存在を知ってしまった間柄。
残酷は歓喜、幸せは滅亡、愛惜は哀切。
その予知夢すら見てはいなかった哀話の者。
見るはずのない時の力をいつしか超えて相次いで。
表裏がある事を知ってしまう悲哀を感じた。
本当に相性が良いというわけではない。
本当に愛情があるかさえ分からない。
気合いさえなくなる藍色が渦巻く。
けれど、たった一瞬の頃合いを見抜ければ。
哀愁はすぐさま慈愛に変わる。
そうできたならば、深みの度合いなど気にする必要はない。
不思議なほどに、互いは似あいに近づくのだから。
合図もなしに。
偶然と必然の場合どちらかを選べるのならば。
迷わず曖昧な日々を投げ捨ててしまおうか。
あいにくあなた達は出会ってしまった。
話し合いの時間などはもういらないだろう。
想いのままに会いに行こう。
邪魔な相手は私がくい止めよう。
ただひたすらの愛に気づかないのは、逃げているだけだ。
意地の張り合いだけに何の意味があるのか?
そんなものに意味があるのなら、出会いこそ無意味。
今までの無数の相打ちに決着をつけようか。
愛想を尽かした時に別れを告げて。
一度きりではない合縁奇縁。
「愛河は筆記が苦手なのに、何で実験の調合だけはすごく
得意なんだか、先生分からんよ……」
出席番号1番
愛河 礼子(あいかわ れいこ)