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黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

SH×DFF(クラティナ)




死せる乙女 その手には水月(Sound horizon) ×
クラティナ(DISSIDIA FAINAL FANTASY)

何だか思いついたのを書いたら、出来てしまったので……。
気力や意力などが持てば冥王~終焉まで書くかもしれません。
サンホラーな方は分かる通り、シリアス、しかも BAD END です。

大丈夫な方は追記からどうぞ。


  



――乙女は湖へと歩みを進める
――それは強要されたからではない
――己の意思


……ごめんなさい、クラウド……。

――胸で呟いた言葉は何のためか
――懺悔か、後悔か
――それとも別の意味か

――乙女は暗闇に閉ざされた瞳で夜空を見上げる
――その夜空はかつて彼と見上げた夜空か

――乙女は瞳を閉じる


残酷な神が統べる、私が生まれた世界……。
私はあの人が教えてくれたようになれたのかな?
怖れず、揺るがず、全てを愛す――



「カオスよ――受け取りたまえ……」



――月光に輝く刃
――乙女の背に浮かぶ緋色の花


女になれた か……、な……?

――薄れゆく意識の中
――忘却にはなりえない水底


あの……声は……!



「ほほう……捕らえろ!!」
「2人を連れて逃げなさい!!」
「クラウド、ティナ、こっちへ!!」

「ティナー!!!」




――乙女は運命の日を思い出す





「……やがて香しく花開く、乙女たち」

――詩人は夜空を見上げ呟いた

「美しく散るのもまた 『花の命』 ……」

――それは悟りを説くように
――それは言い聞かせるかのように


「ティナ……先刻訪れた若者は、貴女と良く似た目を
 していましたよ――」





――満月の下
――森の道を駆ける若者
――草木が足を傷つけるのにも構わず

――駆け抜ける

――後ろへ流れる白い吐息
――刹那、若者の軌跡を辿る
――若者は満月の下、森の中を駆け抜ける

――開ける道
――広がる湖

――横たわる乙女
――静かに眠りにつき

――若者は湖の中へと足を進める

――震える指先
――乙女の頬に触れる




「うわああああああああああああ!!!!!!
 ティナァァァァァアア!!!!!!」



――乙女を掻き抱く腕
――満月の下
――乙女に降り注ぐ、あまたの雫



揺れてる瑠璃色の月 ああ、とても綺麗なのに――
ねえ、悲しまないで 過ぎ去りし灯も運命の贈り物なのだから


死せる蒼白き乙女は、とても綺麗だった

やっと逢えたね 捜したんだよ
君の面影を


――遠い日の記憶
――静かな湖


ねえ、覚えてる?
遠く幼い日の可愛い我侭
水面に映る月
手を伸ばす少女がいた



――乙女の手には



終に手に入れたんだよ
終に手に入れたんだね



さよなら  さよなら
お別れね  お別れさ

私の片割れ
もうヒトリの私






――若者は復讐を決意する
――手には黒き剣
――奴隷たちを率いて城壁を崩す

――そして邂逅するだろう



「俺と共に来るがいい」

「生命ヲ憎メ、クラウド」

「ウォーリア・オブ・ライト。私が相手になろう」





「運命よ――これガ……オ前ノ望ンダ世界ナノカッ!!





END.

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