201204/08 9 夢見た作家 戦場遊戯(オリジ) 0 僕は今日、夢を見たのです。そこは平和な暖かな光差す町でした。にぎやかな笑いの絶えない商店街。子供が走り回っている広い公園。鮮やかな花畑や、透き通った小川。僕はいつもみたく、物書きをしていました。身近にいる者たちの話を聞いて。新たに見つけた事柄をまとめて。疑問に思った考えを整理して。真っ白な紙に真っ白な羽根ペンで。僕は笑っていたのです。本を読み買ってくれた若者に。体を気遣ってくれる老者に。手を振ってくれた幼者に。ありがとう、と答えて。こんな風に血雨の中で立つことなく。“ピース” たちに邪魔されることなく。“マスター” の言うストーリーを書いて。深紅の羽根ペンを躍らせて。僕はなんて、恐ろしい悪夢を見たのでしょう。あんな場所は知りません。気味の悪いほどに白い町など。今までのストーリーにさえ登場させていない。主役は “マスター” と “キャラクター” 。相手は “ピース” だけなのだから。やはり “作家” は夢を見ない方がいいですね。END. [0回]PR