ぱん
ぱん
かわいたおとが、あたりのコクウをさく。
そのつぎには、にぶいオトがしてくる。
どさり
ふいに、ほほをかたいナニカがかすめてきた。
ぼくはふりむいて、ひきがねにかけたユビをひく。
かん
……どうやら “ピース” にあたらなかったらしい。
もういちどぐいっと、ヒキガネをひいた。
だあん
こんどはカンペキにあたったようだ。
ああ、もうすぐオワルだろうか。
でも、いつおわるのか。
“ピース” はオシエテくれない。
いまのジカンくらいは、わかるだろうか。
ひゅ
また、かたいモノがとんできた。
ぱん
ああ、あの “ピース” もおなじようにタオレテしまった。
これではなにも、きくコトができない。
このものがたりは、いつハッピーエンドをむかえるのか。
このものがたりは、いつバッドエンドをむかえるのか。
どの “ピース” をたおしたら。
ゲームクリアできるのか。
どの “ピース” がたおれたら。
ゲームオーバーになってしまうのか。
まだ、この “ゲーム” はつづくのだろうか。
ぼくはニンギョウだからしることはできない。
“マスター” に、さからってはいけないのだ。
このままオワルまで。
おどりつづけなくてはならないから。
ぼくのイトがきれてしまったら、どうなるのだろう。
きっとこの “ゲーム” のナカから
きえなければならないのだろう。
にんぎょうはアヤツラレなきゃいけない。
あやつられなければ、ボクのそんざいいぎはない。
ぱあん
だからこうして。
“マリオネット” であるぼくは “ピース” をたおす。
END.