※(少年陰陽師-風音編/トリップ神ヒロイン)
「ギャァウッ……!!」
「お前……なんてことを……!!」
「これで終わりではない、お前たちはそこで待っておれ。
――これで、お前を従える左の頭は潰れた。さあ、道反の神子姫を
守る烏よ、目覚め、己の意思で神子姫の下へ戻るがいい」
『あ……あな……た……さま、は……!』
「それは今はまだどうでも良いことだ。さて神子姫――いや、とりあえず
今は風音」
「っ!」
「そんな傷ついた身体で身構えても、悪戯に精神を削るだけだぞ。
風音、真実を見たいか」
「……真実だと……っ!?」
「父と信じる者の過去、その者の敵だと信じる晴明のこと、それに伴う、
お前の母のことを」
「な、なに、を」
「真実を後に知れば必ずお前は後悔し、すでに戻れぬ位置に立ち、朽ちる。
そのさだめを変えることが出来るのは、今、お前が全ての真実を
知ることにある」
『姫……姫よ……あの御方は全てを知っている』
「か、い?」
「さあ、知るのだ風音。お前の運命を。お前の真実を。お前のあるべき
心を―――。」
どうせなら強引な手を使ってでも
違う道に誘導してしまえばいいのだ。