私は思う。
きっと世界の終わりというものはこれだ。
心はただ想う事をやめてしまう。
頭はそれに対して酷く冷静で。
こうしていられるのだ。
そして案外速く来てしまったクライマックス。
予定ではもう少し遅いはずのエンディング。
運命はうまくいかないと初めて知った。
冷たくも暖かくもない。
何も感じられない手の平。
勝利を得られなかったカラのまま、
開いたそこには何もなく。
ただ、ただ、見入るだけの私がいる。
神々の破滅の運命……ラグナロク。
かの戦いに倒れた神々はいかような心境で……。
かの戦いに立った神々はいかような表情で……。
望んでいたものは違っていたのに。
私はラグナロクなど決して望まなかった。
違ったのに。
けれど私は負けてしまったのだ。
白煙が舞うのはここではなかった。
見やる時こそ世界は産声を上げて誕生した。
世界の誕生を見やるのは私であるのに。
私でなければならなかったというのに。
誰よりも勝利を望んでいたのは私。
私こそが全てを笑う器だった。
私、こそが。
「白鳥、お前か。毎朝黒板消しトラップを仕掛ける
古い悪戯かましてきてたのは……」
出席番号9番
白鳥 由佳(しらとり ゆか)