忍者ブログ

黒犬倉庫

版権・オリジナル・ CP 小説中心。よろずジャンルなブログ(倉庫)。二次創作や、オリジナルキャラクターが主軸となる作品が多め。受け付けない方は閲覧はご自重下さい。原作者・出版社等の関係はありません。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

クラスシリーズ 9












私は思う。



きっと世界の終わりというものはこれだ。
心はただ想う事をやめてしまう。
頭はそれに対して酷く冷静で。
こうしていられるのだ。


そして案外速く来てしまったクライマックス。
予定ではもう少し遅いはずのエンディング。
運命はうまくいかないと初めて知った。



冷たくも暖かくもない。
何も感じられない手の平。



勝利を得られなかったカラのまま、
開いたそこには何もなく。
ただ、ただ、見入るだけの私がいる。


神々の破滅の運命……ラグナロク。

かの戦いに倒れた神々はいかような心境で……。
かの戦いに立った神々はいかような表情で……。

望んでいたものは違っていたのに。
私はラグナロクなど決して望まなかった。

違ったのに。

けれど私は負けてしまったのだ。
白煙が舞うのはここではなかった。
見やる時こそ世界は産声を上げて誕生した。

世界の誕生を見やるのは私であるのに。
私でなければならなかったというのに。

誰よりも勝利を望んでいたのは私。
私こそが全てを笑う器だった。





私、こそが。





「白鳥、お前か。毎朝黒板消しトラップを仕掛ける
 古い悪戯かましてきてたのは……」





出席番号9番
白鳥 由佳(しらとり ゆか)

拍手[0回]

PR