この “ゲーム” を始めて。
どれ程が経ったのだろうか。
長くはないが、かと言って短くもない。
これは互いの進め方のなせる感覚か。
広がる荒野などたかが知れている。
私にとって、この場はガラスの “ゲームボード” 。
いつくずれてしまうかは分からずに。
ずらりと並ぶは、無機質で無力な小さいポーン。
陣頭に立ち、弱き力を振るってみろ。
その身を投げ出し道を開くのだ。
後はもう、思うままに動け。
たとえそのまま突き進んでもいい。
たとえそのまま朽ち果ててもいい。
だが逃げることは許さん。
その愚かな目を開いて、見てみろ。
横を駆けるは力を持ちし “ピース” 。
弱き “ピース” とは、全く異なるガラスの石。
さてその輝きはどれ程のものか。
さて、その砕け方はどれ程のものか。
私が持つ “ピース” は、未だヒビさえ入らず。
砕けそうもないので分からないが。
この先も互いの出方が楽しみだ。
ガラスのチェスに終わりを見いだすことは、
まだないのだろうと確定しているがな。
私の “ピース” は、血雨という拍手の洗礼を受ける。
チェックメイトの声は遠い。
END.