今日もまた、 “ゲーム” が始まってしまった。
わたしは静かに時を感じたいのに。
“マスター” はわずかな “セーブ” しか与えてくれない。
一人にさえなれないあのような場所で。
どう集中しろというのだ。
今日もまた “ピース” の運命に気づく。
わたしは依頼のないことはしないのに。
向かってくる相手を見ればすぐに分かる。
知りたくもないのに知ってしまうのは。
互いに嫌悪するのだ。
今日もまた “キャラクター” は走っている。
わたしは彼らとあまりかかわらないのに。
その強い星宿はいつでも目に届く。
けれど勢いありすぎるくらいの輝きは。
すべて滅亡の凶つ星。
凶、大凶、悪運の荒波。
ここに着てからそんな運勢ばかり見ている。
……いや……。
一度だけ、小さな幸運を見た。
白いハトが降り立った“彼”の元に。
小さな小さな未来の導。
どうか他の宿命に、かき消されてしまわないように。
本人さえも気づかないしるしを、手離さないように。
誰にも奪うことは出来ない出会いの吉兆は。
きっと新たな世界を開いてくれるだろう。
憂いたままの “占い師” が君にそう告げよう。
END.